バイリンガルの輝く将来
ランゲージ・ハウスがバイリンガル教育を始めてからすでに15年以上経つ。その間に社会は大きく変わり、バイリンガルという一つの能力がより活躍できる世の中になっている。
ここで具体例として私事をお話しする。次男が17年ぶりにハワイでの生活を打ち切って日本に移住してきた。彼はソムリエで、ハワイのホテル、レストランで仕事をしてきた。その間にCMS( Court of Master Sommelier)のアドバンス資格と日本に帰国した際に受けたInternational Sommelierの資格を取った。その時に出会った日本を代表するソムリエから「日本はこれからもっと外国人が来る。そこで必要なのはバイリンガルのソムリエだ。君の資格はバイリンガル能力によって活かされる」と言われた。息子は今まで日本はビールの国と思っていたが、この忠告に触発されてネット検索をしてみると「バイリンガルソムリエ」「バイリンガルレストランマネージャー」など、驚くほど多くのホテルやレストランがバイリンガル人材を求めていることがわかった。しかし日本の円安を考えると、日本で働くとなるとハワイでの年収より給与は実質的には下がってしまうと思っていたのだが、実際にはバイリンガルという能力が活かされれば、決して悪い年俸ではないこともわかった。
現在息子は東京にあるホテルで働いている。スタッフはドイツ、イタリア、中国、ミャンマー、イギリスと多国籍であるが、日本人スタッフの英語力が低く、インターナショナルスタッフとのコミュニケーションができないことで、チームワークの弱さが浮き彫りになっていた。ホテル側としてはバイリンガルを起用することでチームワークの強化を図り、かつ顧客に対しても日本人、外国人の隔てなくサービスが提供できることを目指している。
バイリンガルの起用はホテルや飲食業界だけでなく、エンジニアにも当てはまる。
ランゲージ・ハウスには外国人の派遣紹介事業部がある。2年前ほどからインドやバングラデッシュからのエンジニアの紹介を始めている。教育事業専門のランゲージ・ハウスがなぜエンジニア紹介?と思われるかもしれないが、インドにダンスの衣装を買いに行ったときに、あるインド人の紹介でプネにある工科大学を訪問する機会があった、そこで出会ったインドの若者たちの日本語能力と、日本で働きたいという熱意に圧倒され、よし、なんとか彼らが日本で働けるようなブリッジを作ろうと考えたのが始まりだった。しかしいざ初めてみると、外国人エンジニアを採用してくれる日本企業の条件は、日本語能力検定のN2、N1の保持者ということであった。私はそれまでN1を持っている外国人は同時通訳ぐらいかと思っていたが、日本でエンジニアとして働くためにはマストな条件だと知った。同時にここの条件を満たしていれば、外国人エンジニアを採用する日本企業は多いことも知った。まさに逆バージョンのバイリンガル能力であるが、日本語、英語、母国語を話す外国人が多くなるに従って、日本人が日本語しか話せないというディスアドバンテージは、今後の日本社会にも大きな影響が出てくることは間違いない。
もう一つの例は保育士さんである。ランゲージ・ハウススクールグループの保育士さんの半分は英語を話すバイリンガル保育士である。ところが最近は派遣紹介のお客様から、バイリンガル保育士を紹介して欲しいという需要が多い。地域によっては外国人姉弟が多いという理由もあるが、自園で外国人を直接雇用し、英語講師と保育補助という二つの役割を求めている園が増えている。しかし保育安全性の面からは、資格のある日本人保育士がチームの中心となる。そこで必要なのがバイリンガル能力である。バイリンガル保育士の需要は年々高まっている。また保育士だけなく、ホテルの外国人旅行者に向けたベビシッターなどの需要も高く、時給も¥3000から夜間は¥5000というケースも少なくない。
私がバイリンガル教育を始めて15年になるが、日本の社会が大きく変化している。15年前はバイリンガル教育と言っても「なんだ?これ?」という意識で受け取る人が多かったのだが、そろそろバイリンガル能力を持つことが、いかに人生を輝かせてくれるかが現実になってきた。同時に自国語を含めると3〜4カ国語を話すバイリンガルを超えた外国人が日本で働くようになっている。私は以前から「英語を話せないという将来に危機感を持ってください」と言い続けてきたが、まさに現実問題として日本の社会に浮上してきている。
ランゲージ・ハウスが育てたいバイリンガルはただ英語が話せるという一面性の能力ではなく、日本の社会や文化を理解し、異国の文化や人種を受け入れ、それぞれの言葉の持つニュアンスを理解しながら、ラーメンから懐石料理までを説明できるような、そんな能力とウイット性を持つバイリンガルな若者を作っていきたい。そのためには私たち大人も、日本の若者たちがより海外と接し、外国人の友達を作り、日本を知るために旅をし、外国人との人脈を作れるような機会を作ってやることを意識してほしい。ネット検索をすると、これを可能にする機会はたくさんある。外国人と遊んだり、一緒にバイトをしたり、勉強をしたりと言った経験の蓄積が、どこに行っても生きられるという世界免疫を作る事に繋がる。
夏休み中に、親子で子供の持つ世界観、親が思う世界観を話してみるのもいい。9月からひとつ新しい挑戦が見えてくるかもしれない。そんな親子関係が子供達の将来を変えていく。

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