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世界に友達を!

昨年のクリスマスはフランス南西部にあるペリゴールという田舎で過ごした。パリからフランス版新幹線でボルドーまで2時間、そこからローカル列車で2時間弱、駅から車で20分という、日本からは遠い遠い田舎である。ここにはニューヨークに住んでいた頃に出会った親友夫妻が暮らしている。6年ぶりの再会だ。彼らとの出会いは凍てつく冬のニューヨーク、経費節減でほぼ真水の公立屋内スイミングプールだった。ロッカールームはパドロックという錠が必要で、一番大きく重そうなものを買って取り付けたが、この街の泥棒は上手で、腕時計やら、ジャケットやらを盗まれた。これがきっかけとなってこのフランス人たちと仲良くなった。彼らと知り合ったことでフレンチコネクションができた。これはフランス人とのコネクションだけでなく、ベルギー、ハイチ、タヒチ、カリブフランス諸島、モロッコなど、私の知らない世界との繋がりができていった。


この夫妻を通してフランスのローカルな世界も知ることができた。元農家の娘だったビビアン、お婆さんがフォアグラ作りの名人で、お祖父さんは豚を使ってトリフュを探す名人。ナショナルジェオグラフィックスにも紹介された。もう一方の祖父母も農家で食用ウサギを飼育していた。私はこの農家に40年ほど前に泊まった。農家の朝は家畜優先で、人間の食事はその後になる。朝から野菜とウサギの煮込みスープ、昨日ウサギを見てしまったので複雑な思いでいただき、最後に同じお皿に赤ワインを入れて綺麗に飲み干す。夕飯前の食前酒は、この地方の特産クルミを赤ワインに浸け、胡桃からの渋みで赤が黒になったら飲み頃、Vin Noreと呼ばれる。この村の人々は純朴で質実剛健である。村人は自分の背丈に合った生活をしていて、どの顔も幸せそうだった。


クリスマスイブには、ビビアンの2人の弟とその家族、姪、甥とその家族と20名ほどが集った。フランス人は食べることと飲むことが人生の中心というのは、都会も田舎も変わらないが、5時から始まったディナーが終了したのが夜の12時、片付けをして皆が寝静まったのが午前2時、これでは翌朝はお昼ぐらいまで寝ているのだろうと思っていたら、朝8時ごろからパンやコーヒーの香りが漂い始め、さて今日のお昼は何を作ろうかなどと話している。英語の話せる若いフランス人たちとは話が弾んだ。誰もまだ日本に来たことがないが、パリでビストロを経営している甥は、日本の出汁や食材に詳しく、日本をもっと知りたいと話す。ボルドーでワインの輸出会社に勤めるビビアンの娘も、何百年前から続くボルドーのワインビジネスを日本でも広げたいと話していた。


ニューヨークで出会った、それもとんでもないスイミングプールでの出会いが、本人たちだけではなく、前世代、現世代、未来世代にわたって、人と人とのつながりを作くるきっかけとなった。ただ忘れていけないのが、その人脈を構築するに必要なコミュニケーション能力である。英語という共通語、自分から声をかけて人に接する積極性、異文化を受け入れる寛容性、この3つがあれば世界はもっと広がる。


今私はこのエッセイを飛行機の中で書いているが、隣に座った若い女の子とデトロイトの雪から会話が始まった。彼女がGBP MCPを知っているかというので、知らないと言ったら、カスタムが混んでいる時にこのアプリを使って入国できるという。多分AI機能の一つのようだが、人とのつながりは新しい知識や情報にも繋いでくれることを思うと、今ゲームに没頭して、人との会話能力が著しく減少している次世代は、もっと人に声をかけ、知り合うきっかけを作る習慣を学習すべきである。これは学校では教えてくれないので、まずは親がお手本を示すことから始めてほしい。世の中が突然ブラックアウトすればGPSやChatGPTも作動しない。頼りになるのは自分の言葉であることを忘れないでほしい。

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